コメント
- まず最初に作者様に素敵な作品を有り難うございますとお伝えしたいです。
現実の価値観とファンタジー世界を融合させた独特の世界観、
個性的な5人のメインキャラの光と影が丁寧に描かれたストーリー、
音楽や画面に舞台演出の方法を見事にゲームに取り入れる手腕……。
光っているところは細かく上げればキリがないです。
何よりも、「悲しいとか憎いといった負の感情で迷った時には、
幸せになりたいとか、好きだとかいった最初の気持ちを思いだそう」
という強いメッセージに心を打たれました。
今年も多くの素晴らしいフリゲがリリースされましたが、
私にとってベストは間違いなくこれです。
最後に一言「クオン! 大好きだーーーーっ!」 - リメイク前からずっと大好きだった作品です。
ゲーム面でのチャット・エンカ率難易度設定・各種オプション・テレポート搭載という親切設計はもちろんのこと。
一番はRPGという媒体でありながら「親離れ」に切り込んだシナリオ。そしてキャラクターの明暗の見せ方です。
思春期特有の複雑な感情を、演劇作法に基づいた画面効果で演出され、見ている自分が身につまされる思いになります。
ラストシーンの余韻の残し方まで完璧です。映画一本観終わったかのような虚無感に襲われました。
難易度を選択できるし、状態異常や能力弱体がボスにも通るので、初心者層にもおすすめできます。ただし裏ボスは馬鹿強いので歯ごたえのほしい層向け。
だが裏ボスを倒した先には、本作ナンバーワンのイケメンで頭良くて不器用に優しくてなんか可愛い、ぶっちぎり人気のあの方をお譲りいただけるぞ! キャー! クオン様ステキー(爆発音) - この作品というか、この作者のゲームを一言でいうなら「ごった煮なのに違和感がないの不思議!」
まずシステム面。敵味方共有のEPを使って放たれる必殺スキルだったり、CTBによる行動順ボーナスだったり、独自のシステムはある。けど、チュートリアル(閲覧するかは選択可)が丁寧なのですぐに掴めた。
シナリオ面は顕著で、勇者と大魔王の王道RPG・・・・・・の中に、思春期ならではの心の揺れ動きや家族との複雑な関係という、現代の若者あるあるな設定を持つキャラクターを突っ込んでくる。でも違和感がない。不思議なくらい。
独特の言語センスから放たれるギャグと、キャラのよいところ悪いところを余すことなく書くことで奥行きが増すシリアス。この明暗のメリハリがラストシーンの爽やかに胸を打つ読後感を生み出す。
「ごった煮なのに違和感がない」ようにするために、システム面ではチュートリアルやオプションによる手引きを用意し、シナリオ面はBGMの強弱、画面の明暗等の演出を使ってメリハリを付けている。個人的に、この作者の最大の強みはここだと思う。
今は小説活動に移行してしまったようだが、またいつかフリゲを作ってほしいという願いも込めて一票。