コメント
- 「この選択をするとこの結末が待っている」「だからそれを回避するために、別の選択をしよう」というノベルゲームのお決まり事をシナリオに落とし込んだ作品。徐々に深刻になっていく空気感と、近代文学を思わせる流麗な言葉遣い、痛みを伴いながらも爽やかな結末。映画を観たような余韻の残る作品です。
- ひとつの謎が解決したと思ったら、もっと大きな謎が出てくる、映画的構成のノベルゲーム。読後感は切なさと爽やかさと甘さが混ざり合った、まさに高校生の夏といえる作品です。全員のキャラクタライズがはっきりしていて「この人物はこういう性格だ」とすぐに一致することと、夏目漱石リスペクトを多分に含んだテキストからうかがえる筆力の高さが心地よいです。