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- 大正ロマン風味のRPG
士官学校や武道の権力が弱まってるというのも、大正デモクラシーで「民主主義万歳!日本軍は戦争屋で野蛮!」と言われてた史実が根底にあるだろうし。焔の日も、関東大震災が元ネタ?NPCの台詞の随所に、時代考証してる作者だってのを感じた
戦闘も要素がてんこ盛りで楽しい。フィナーレスキルを取った時が気持ちいいのよ。雑魚戦はサクサク、なんならクイック戦闘で秒で片付くのは有り難かったね。館に戻れば無料で全回復+アイテム補充のおかげで気兼ねなく練習戦闘できるし、イベント以外はゲームオーバーがないのも嬉しい。
とにかく文章が文学的で洒落てるよね。明治大正時代の文学に使われてた言葉や言い回し、送りがな、当て字を盛り込んでる。至る所に夏目漱石の匂いがして、なんなら宗近と甲野って名字は虞美人草だな!?漱石作品の中でも難解ランキングベスト5に入る作品をRPGに落とし込むとは!
愛に生きる役者達がみんないい味出してるわけですが、個人的に好きなのは宗近勇一郎。現代では絶滅危惧種な実直さと不器用さ、だからこそ出る、青臭くも美しい、椿への言葉の数々。忠信に対して「己のこころに真面目になれ」と言い聞かせたところも好きだ。もちろん勇椿もいいぞ。こういう初々しいのがいいんだ。純粋で慎ましく上品なのがニヤニヤすんだ。
忠信から発せられる漱石キャラ臭が凄いんだよな。クールな強キャラでありながら精神的な危うさもあって、純真無垢な椿に心を乱されまくってるのがニヤニヤするよね。ジェラードのいい意味で男のダメなところを詰め込んだ感じも共感だし、フレイヤの冷静な警官でありながら恋する乙女なところもよかった。椿は天然でありながら、急に精神力の高い発言をすることもあって、だけど周囲への感謝は常に忘れない慎ましい子で、なるほど男を落としまくるわけだと。キャラデザは一番好き。可愛い。
- コンボで観客を沸かせ、フィナーレで大団円を飾れ! 大正浪漫×演劇×近代文学という、新しくも激しく美しいRPG!
属性や行動毎に異なる待ち時間を駆使してコンボを繋ぐ、必殺技であるフィナーレスキルを敵と取り合うという駆け引きが面白い。
ガチャ要素であるリプリスも中毒性が高い。だけど、特定のリプリスがないとクリアできないということはなく、きちんとバランス調整がされている。
経験値レベルアップ制ではなく、戦闘後に少しずつ成長していくタイプで、属性熟練度と合わせて、コツコツ育成するのが好きなので楽しかった。クイック戦闘でサクサク育成できるのが便利。
シナリオも満足。プレイヤーが実は●●だったという展開に驚かされた。主人公の椿ちゃんが可愛いのでいくらでも見ていられる。忠信のキャラクタライズがまさに漱石で、RPGの世界に漱石キャラを突っ込むとこうなるよなーという解像度の高さがお見事。「意思とは欲だ」と言いながら、椿を前に揺さぶられる様子が大好き。こういう人間臭い悩みを持つキャラが大好きだ。
文章がたいへんに美しい。この作品について語る時には、必ずこの点に触れなきゃいけないだろうってレベル。近代文学と現代テキストの塩梅がよく考えられていて、漱石? なにそれ美味しいの? って人でも内容は理解できるように書かれている。「意思とは何か」という命題を通して、各キャラの性格が見えてくる手法もGOOD。
勇一郎も好きだし、椿と勇一郎が結ばれたのには満足しているんだけども・・・忠信が幸せをつかむ世界線も見たかったです!!!
- ちょっと不思議な大正風浪漫なRPGで、
近年やったゲームの中で特に心に残ったゲーム。
作者さんには頑張ってほしい。
- 序破急のコンボを繋ぐのと、フィナーレを盛り上げるのが楽しい、劇を演じるように戦うRPG。
ゲーム全体を貫く大正浪漫の雰囲気が好き。台詞も明治大正時代の小説に寄せてある。
リプリスガチャの中毒性、マジール収集の楽しさ、スキットの面白さ。どれも好きな作品。
男の強さと弱さを「酔興な英雄欲」と表現したり、「意思とは慾です」と核心をついたり、告白の台詞に「宗近勇一郎という人間の意思になってほしい」と言ったり、うーん・・・この方の文章好きだなあ・・・とうっとり。
飄々放蕩男に振り回されるクールエリート警察官可愛いよフレイヤさんを照れさせたいよ。
「貴方を描くに相応しい色を陽は有しておりません」なんてさらっと言えちゃうくせに恋愛嫌悪症とか嘘やろ忠信さーん!でも、可愛らしくていじらしくて誰かに尽くすのに一生懸命な椿ちゃんが相手ならそうなるね!そういうの好きだよ!
不器用で真っ直ぐな士官学生と、純粋で天然な純喫茶の店員という許嫁カップルからしか得られない成分がありますよね(*´Д`)