フリゲ2017 あなたが選ぶ今年のベストフリーゲーム コメント


Helldiver :
  • どうしようもなくなって、ままならない思いに苛まれて、血を流しながら、地獄を下る。持っているのは必要最低限の知識とナイフだけ、そんな状態で地獄を手探りで進む不安と解放感。漫然と進めているだけでは立ち行かなくなる難易度でしたが、だからこそ自分の意思で歩み続けることに意味が、価値がある、そんな道のりでした。
    『Helldiver』で、「あなた」は「ヘルダイバー」となって地獄の底を目指します。地獄には時代も国も隔てた人々が会していて、それでも「地獄に落ちた」という点で共通しています。他のヘルダイバーたちに出会い、話に耳を傾けるうちに、ヘルダイバーたちは、傷を負っていたり、空洞が空いていたり、あるいは何かを過剰に抱えてしまったりしていることを知りました。それらはどこか共感を覚えるもので、ああ、だから「あなた」――自分も地獄に落ちたのか、だから自分は地獄の底を目指すのか、と納得したのを覚えています。そして、単に「地獄の底を目指す人々」を指す呼称だと思っていた「ヘルダイバー」は、誇りをもって掲げるべき名なのだと教えてもらいました。
    地獄は陰鬱で寒々しく、雑然としていて閉塞感に満ち、暗く危険で恐ろしく悍ましい地です。そんな地で、取り留めのない話をしたり、コンビニや銭湯に行ったり、友達の誕生日を祝ったり――罠にかかったり、死にかけたり、殺し合ったりした日々は、確かに青春でした。
    こんなにも情念の込められた作品に出会うことができて本当に良かったです。素晴らしい作品をありがとうございました。
  • BGMとグラフィックの雰囲気が合っていて良いと思いました。
  • クセだけで出来たような怪作。
    この独特の雰囲気にハマればハマる。
    こういった作品こそがフリーゲームの魅力だと思う。
  • 自作ゲームの魂を継承した作品。
  • 無機質ながら静かな緊張感に満ちたダンジョン、退廃や気だるさを感じさせながら奇妙な熱気も併せ持つ街の光景、それぞれの情念を抱えて塔を下るキャラクターたちと、どの部分も強く心に焼きつくような作品でした。序盤の衝撃的なイベントを経て至るラストバトルと、そこからの解放感溢れる終わり方がとても印象的でした。